タイ北部の山間部には、それぞれの生活文化や言語を持った、多くの山岳少数民族(山地民)の人々が住んでいます。
小さな村や集落をあちらこちらの山頂や山腹、山の麓に作って暮らしています。現在タイでは中学校までを義務教育としていますが、小学校もない村、小学校はあっても中学校がない村がまだ多いのです。
村に学校のない子供たちは、遠い道のりをとなりの村まで歩いたり、通学が不可能な場合は、町の寮に寄宿しなければ学校に通うことができません。
また経済的な問題のみならず、文化や言葉の違う環境で精神的に負担を強いられる子供たちも多いのです。
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ルンアルン(暁)プロジェクトは子供たちが安心して暮らし、職業訓練を受けることのできる生徒寮として、1987年リス生徒寮をチェンライ県メエスワエ郡に設立したことに始まります。
当時はリス族の中学生のみ11人のスタートでしたが、4年後には全ての山岳民族を受け入れる方針に切りかえ、異文化の共生を目指すことにしました。
1993年に高地民教育と開発財団に加入して、運営を安定させ、1994年からは寮生、卒業生その他の山岳民族の生徒・学生を対象としたルワンアルン奨学金制度を発足しました。
1995年にはもう一つの生徒寮“暁の家”をウィエンパパオ郡に開き、2000年3月にリス生徒寮は最後の12期生を送り出した後、その活動を終了しました。
リス生徒寮の跡地は、山地民定期市や青少年の研修センターなど、山岳民族の教育と自立のために役立てていきたいと考えています。
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生徒寮活動は暁の家を中心に行われることになり、山岳民族の青少年の教育面での充実を目指しています。山地でも国籍、耕作地、世代間や宗教による分裂など、多くの問題を抱えていますが、人作りこそそれらの問題解決とそれぞれの民族の発展につながると信じています。